重陽の節句の意味と過ごし方
2015/08/22
重陽の節句とは、中国を起源とする節句の一つです。
別名菊の節句、栗の節句と呼ばれることもあり、日本では古くから菊を鑑賞したり栗ごはんでお祝いする行事が行われてきました。
ここでは、重陽の節句についていまいちよく理解できない、よく知らないという方のために歴史や日にちなどについてお伝えしましょう。
重陽の節句はいつ?
重陽の節句は9月の9日のことを指します。
陰陽思想において奇数は陽の数と言われており、奇数である9が重なるこの日のことを「陽が重なる日」ということで重陽と呼ぶのです。
もともとは陽の気が強くなりさまざまな災いを引き起こす可能性があることから邪気を払うためにお祀りが行われました。
中国で重陽の節句が正式に認められたのは漢の時代と言われています。
この時代に宮中はもちろん一般の庶民にも広がり、風習として定着するようになりました。
また、唐の時代になると2~3日かけて祝い事を行うことも多くなったようです。
どのように過ごすの?
邪気を払い長寿を祈るための重陽の節句ですが、古くから菊の花を愛でたり菊酒を飲んで祝う風習がありました。
平安時代に日本に伝わると宮中で菊の花を愛でる宴が催されたりしたことから菊の節句とも呼ばれるようになったのです。
また、この時期は収穫の時期とも重なるため栗の節句として庶民はお祝いをしてきました。
栗ご飯を食べることもあったようです。
現在でも重陽の節句には栗ごはんや秋ナス、食用菊などをテーブルに並べてお祝いをする家庭も少なくありません。
華道の世界では特別な日
重陽の節句は華道を嗜む方にとっては特別な日の一つです。
菊の花だけを用いた作品を作ったり、特別なイベントを華道家が開催することも珍しくありません。
現在でも著名な華道家などが菊の花を使った作品を披露することもありますから、ご存じの方もいるのではないでしょうか。
華道の世界では節目ごとにその季節を象徴する花をいける風習があります。
特に重陽の節句は一種の儀式のように捉えられていますから、特別な日として菊の花をいけるのです。
まとめ
桃の節句や端午の節句と比べるとどうしてもマイナーなイメージのある重陽の節句ですが、実はこのような意味があったのですね。9月9日という陽の数字が重なる日に長寿を祝うお祀り、と覚えておけば良いかもしれません。
あまり興味のなかった方も、これからは9月の9日には菊の花を愛でたり、栗ごはんを食べるなどして過ごしてみてはいかがでしょうか。
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